(重版しました)
<未完>年表・日本と朝鮮のキリスト教100年
企画 NCC在日外国人の人権委員会
編著 八幡明彦
ISBN978-4-906460-31-1
B5判 146頁
1600円+税
1997年3月発行/重版2025年7月発行
※購入ご希望の場合は送料360円をあわせてご送金ください。
郵便振替 01160-6-1083 公益財団法人 神戸学生青年センター
▽目次
発行に際して 日隈光男
第一部 年表・日本と朝鮮のキリスト教100年
(1)日本基督教聯盟(1883~1945年)
(2)日本基督教協議会(1945~1992年)
第二部 解説
「植民地支配と解放日本教会と韓国・朝鮮
-在日韓国・朝鮮人とのかかわりを中心としたNCC史の検討ー」 八幡明彦
<発行に際して>
タイトルが「未完」となっているので、手にとった方々は途中で終わった中途半端な年表だと誤解されるかもしれないが、決してそうではない。私たちにとっては、必要かつ充分な資料が入っている年表である。
年表の編者である八幡明彦氏が資料を増やし、内容をさらに濃くしたいという思いをもって、自ら「未完」としているのである。
この年表は限りなく増殖する性格をもっている。いくらでも資料を増やし、詳しくしていくことができる。誰か八幡氏に時間とお金を与える人があれば、氏は得意の韓国語と英語を駆使して、韓国やアメリカに滞在し資料調査を行ない、膨大な内容の年表をつくるに違いない。
この年表の発端は、私たち在日外国人の人権委員会の気紛れな発言であった。
「私たちの委員会の今までの歩みや流れがわかるといいね。」
それを受けて当時、NCC幹事であった八幡氏は、倉庫に入り古い記録を調べて入るうちに戦前の機関誌を見つけた。それからは、宝の鉱脈を堀り当てた人のように、深く堀りはじめたようである。NCCの仕事が終わったあと毎夜おそくまで、「家庭が犠牲になっている」とぼやきながら、喜々としてパソコンに資料を打ち込んでいった。八幡氏は、この日本の資料の裏面はどうなのだろうと考え、韓国の資料や在日大韓基督教会の資料を調ベて並べたり、特高資料を並べたりして、歴史の全体像がわかるようにしていった。
日本の教会が国家権力に飲みこまれていく様子や、その道具とされて、韓国•朝鮮の民衆に日本国家の意志を押しつけていく役割をはたす姿などがリアルに出ている。教会に於ても戦前のリーダーが、罪責感なく変身して戦後もリーダーとして残ったことなど読者は驚くべき事実を次々と発見することができる。
私たちは、この資料で実に多くのことを教えられ、考えさせられた。コピーや簡易印刷機などで手作りした貴重なこの本は、NCC関係者のみならず、伝え聞いた活動家の間でもひっぱりだこになり、今もなお、問い合せがある。
八幡氏は現在NCC (アジア・キリスト教協議会)のURM (都市農村宣教)担当幹事として香港の本部事務局で働いているのであるが、二年前、氏がNCC幹事を退職するにあたって、私たちの委員会は長い間大変お世話になった八幡氏に対する感謝を込めて、この本の出版を企画した。
そして、出版の具体的な仕事は、委員の一人である神戸学生青年センター館長の飛田雄一氏にお願いをした。阪神淡路大震災後の多忙な飛田氏に押しつけて、委員会毎に催促する厚かましい私たちでした。そのようなチームワークがあって、このNCC五十周年という記念すべき総会時に出版が実現したことは喜びと感謝にたえないことである。
1997年3月10日 NCC•在日外国人の人権委員会委員長 日隈 光男

