「農薬再評価とみどりの食料システム戦略の問題」
2022年9月17日(土)午後1時30分~3時
神戸大学大学院農学研究科 教授 星 信彦さん
農水省が進める「みどり戦略」は、2050年までに、化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減し、有機農業面積を25%(100万ha)に拡大をめざしています。しかし農水省はドローンによるピンポイント農薬散布や、AIなどを活用した病害虫の早期検出技術などの技術革新を有機農業に誘導しようとしています。またゲノム編集やRNA農薬といった遺伝子操作技術も活用され、これまでの有機農業とは異質のものになりそうです。しかしこれまで慣行農業であった農家が交付金を活用し有機農業に転換できる貴重な機会でもあり活用したいものです。その全体像をお話いただきます。
「永遠の化学物質PFASの環境汚染リスクとどう向き合うか」
2022年10月15日(土)午後1時30分~3時
社会健康医学福祉研究所所長・京都大学名誉教授 小泉 昭夫さん
化学的に安定で水や油をはじくことから、「フッ素樹脂加工、テフロン加工」などの調理器具、撥水スプレーなどに「PFAS」(polyfluoroalkyl substance:ペルフルオロアルキル化合物の略称)は、多く使われてきました。しかし1970年代以降、環境中に長期間残存することや、発ガン性を有する可能性が示唆され、幼い子どもや胎児の発達にも影響を与えるエビデンスが明らかになり、2009年国際条約でPFASの一つであるPFOSの製造や輸入が禁止されました。日本ではダイキン淀川製作所がPFASであるPFOAを約40年にわたり製造していましたが、2015年末に製造を終了し、経産省は2021年10月に製造や輸入を禁止にしました。2002年から「PFOA」の調査をしておられる小泉さんにお話いただきます。
有機の里丹波市が抱えるごみ減量化問題〜そのゴミは本当にゴミなのか〜
2022年11月19日(土)午後1時30分~3時
丹波市議会議員 前川 進介さん
コロナ禍やウクライナ戦争によって物流のサプライチェーンが壊れ、様々な物の値段が高騰しました。特に食料、飼料、肥料、燃料は海外への依存度が高く、日々の暮らしに影響しています。
また丹波市の燃やすごみはクリーンセンターが安定稼働できないほど増えていて、燃やすごみ減量化が喫緊の課題。そんな中、市長公約として提案された「燃やすごみ袋半額化議案」は、ごみ減量化が進まないことを懸念した市議会が否決し(前川議員も反対)、市内ではごみ問題への関心が高まっているようです。
前川議員は、これら世界と地域で起きている事象を、「海外から有機物が入ってきにくくなった」、「地域では処理しきれないほどの有機物で溢れている」と言い換えています。後者は「そのごみは本当にごみなのか」という視点で、例えば生ごみは飼料や肥料に、剪定枝は燃料に使うことを想定。こうして地域で有機物を循環させる暮らしが、今の時代だからこそ求められているはずだと議会でも訴えておられます。
またご自身も鶏を飼ったりソーラーシェアリングをされたりするなど、循環型の暮らしに挑戦されているとのことですので、講演会では公私にわたる事柄をお話いただく予定です。
ちらしはこちら
●会場:神戸学生青年センターホール(ウェスト100、本館2階)
(阪急六甲下車徒歩2分、JR六甲道下車徒歩12分)
●参加費:600円
●主 催:公益財団法人 神戸学生青年センター
〒657-0051 神戸市灘区八幡町4-9-22
TEL 078-891-3018 FAX 078-891-3019
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