「兵庫の朝鮮人の歴史をともに学ぶ
―朝鮮人強制連行の現場・甲陽園地下壕発見から35年―」
■呼びかけ文■
1987年11月、西宮市甲陽園で地下工場跡が発見されました。発見されたのは鄭鴻永さん、阪神間の朝鮮人の歴史を研究されていました。もともと戦時中の川西航空機の地下工場のこと等を記録した「米国戦略爆撃報告書」に甲陽園の記録があり、鄭さんは注目していましたが、宅地開発工事が進められたときに、その地下工場跡が見つかったのです。鄭さんは、地主の許可をえて中に入りました。そこには、「朝鮮國獨立」「緑の春」の文字が残されていました。明確な「文字」が残されている地下工場跡は他になく、広く知られることとなりました。鄭鴻永さんは2000年1月亡くなられましたが、いま改めてこの事実に向き合いたいと思います。(鄭鴻永著『歌劇の街のもうひとつの歴史―宝塚と朝鮮人』(1997.1 神戸学生青年センター)参照)
兵庫は、兵庫朝鮮関係研究会、兵庫県在日外国人教育研究協議会、むくげの会、学生センターなどが協力して在日朝鮮人の歴史を掘り起こしてきました。その成果は、『兵庫のなかの朝鮮―歩いて知る朝鮮と日本の歴史』(2001.5 明石書店)として出版されました。昨年12月、韓国で1263頁の大著『在日朝鮮人団体辞典―1895~1945』(2021.12 民族問題研究所)が出版されました。兵庫県の労働団体等については堀内稔さんが記述され、兵庫の在日朝鮮人研究の貴重な成果となっています。今回、甲陽園地下壕発見から35年を機会に、兵庫の在日朝鮮人の歴史をともに学ぶセミナーを開くことになりました。多くのみなさんの参加を呼びかけます。
1)2022年10月27日(木)午後6時半~
「鄭鴻永さんの甲陽園地下壕発見、その後」
兵庫朝鮮関係研究会代表・徐根植さん
2)2022年11月10日(木)午後6時半~
「戦前(解放前)の兵庫における朝鮮人労働者の闘い」
むくげの会会員・堀内稔さん
会場:神戸学生青年センターウエスト100 TEL 078-891-3018
(阪急六甲駅下車、線路南を西へ100メートル)
TEL 078-891-3018 FAX 078-891-3019
参加費:600円(事前予約は不要です。当日会場でお支払いください。)
講師紹介/徐根植さん:1950年生まれの在日朝鮮人2世。朝鮮大学校卒業。兵庫朝鮮関係研究会代表。鄭鴻永、金慶海とともに兵庫県の在日朝鮮人の歴史を掘り起こす活動を展開。著書に『鉄路に響く鉄道工夫アリラン―山陰線工事と朝鮮人労働者』(2012.5 明石書店)、共著に『鉱山と朝鮮人強制連行』(1987.8 明石書店)、『在日朝鮮人90年の軌跡―続・兵庫と朝鮮人』(1993.12 神戸学生青年センター出版部)など。
講師紹介/堀内稔さん:1947年京都府舞鶴市生まれ。神戸市立外国語大学卒業。むくげの会会員。兵庫県下の在日朝鮮人史、朝鮮半島における華僑史等を研究。著書に、『兵庫朝鮮人労働運動史―八・一五解放前』(1998.10 むくげの会)、共著に『朝鮮一九三〇年代研究』(1982.10 三一書房)、『在日朝鮮人・生活擁護の闘い―神戸・1950年「11・27」闘争』(1991.10 神戸学生青年センター)など。
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主催:(公財)神戸学生青年センター
〒657-0051 神戸市灘区八幡町4-9-22 TEL 078-891-3018 FAX 078-891-3019
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