SCM協力委員会ニュース「SCMかすがい」 bP4/98年2月

目次

愛媛県川上教会 今井牧夫さん

 

四国の隠れSCM'er として 小笠原純

 「書くことないのに、なんで原稿を引き受けたのだろう」と思いながらも、書くのはやっはりSCM現場研修で出会った人々がなつかしいからでしょう。

 わたしは第六回現場研修のとき、釜ケ崎で研修しました.第八回と第九回の現場研修の学生スタッフをしたりしました。そのときは、釜ケ崎に行ったり、生野に行ったりしました。また京都の越冬活動

に参加したりしていました。しかしその後、岡山教会に赴任したあとは、生野にも釜ヶ噂にもSCMにもごぶさたしています。京都での結婚式の翌日、岡山に帰る途中、妻と二人で生野のお好み焼き屋さんに、そばロールを食べに行ったのが、最後です。岡山教会のあと、新潟県三条市にある三条教会に赴任したので、ますます遠のくばかりでした。この春、四国の伊予小松教会に赴任し、近くに今井牧夫さんがいるので、こうして原稿を書くことになりました。今井さんとはSCM現場研修のフェアウェルパーティーで、「ぼくも暗いけど、小笠原さんも暗いねえ」と話して以来の再会でした.

 いろいろと四国で活躍している今井さんを見ながらも、わたしはと言えば、毎日の生活に追われているという感じです。りっぱなSCMerとはいえないですね。「釜ヶ噂の朝は早い」けれども、わたしの朝も牧師にしては早い?,5時半に起きて、ひと仕事.そのあと7時すぎに、週の半分ですが、保育園の園バスを運転.「おれ、初めて釜ヶ噂で日覆いに行ったとき、この園バスのような大きさのワゴンに乗せられて、どこに連れていかれるんだろうと、びくぴくしてたよなあ」と思い出したりします。一日、保育園や教会で勧いて、仕事を終えて、部屋に帰り、みんなで食事をして、妻と一緒にあと片付けをして、ふとんをしいて、娘たちがちらかしたおもちゃをかたずけて、娘たちとお風呂に入って、娘たちと一緒に絵本を読んで、すやすや眠る。そしてまた朝が来る.「この生活の中にSCMはどこに?」との思いもあります。でも、起きている時間帯だけは、学生時代より釜ケ噂の労額者にはるかに近いですね。

そんなわたしですが、SCM現場研修での研修が、自分の生活のひとつの核になっているという気はするのです。またそうありたいと思うのです。鶴見俊輔は、「反射」ということを言っています。

(それではどういうふうな道を選ぶかというと、思想を支える、思想の底にある態度ということを重く見る立場です。それは言いかえれば反射ということの重視です。反射が重大だと思うのです。私には息子が一人いるのですが、彼に言っていることは、「掩は細君を殴らない。君も殴るな」、それだけです。それが反射ということなので、それだけである意味を持っていると思うのだけれどね)(戦後とは何か一、青弓社)。現場研修での釜ヶ埼や生野でのそれぞれの体験は、それぞれに「反射」として残っているのだと、わたしは思います。

園バスを運転しながら、園児から「ぽけもん、ゆうてみて」と言われ、「ヒカナュウ、ライナュウ、ハイチュウ、ちょうだい」と応える日々です。でもわたしは、その生活の中で、SCM現場研修からもらったいのちの言葉を、この子たちにどのようにつたえていくのかと、日雇いのときに乗せられたワゴンによく似た(雰囲気は違いますが)、園バスを降りてから、ときどき考えます。運転中に考えると、あぶないですから。

SCM現場研修も20回になりますね。ネットワークということが言われ続けてきたわけですが、わたしはしっかりとSCMにつながっているともおもいませんが、切れているとも思いません。「金を送ってくるでもなく、便りを送ってくるでもない」。しかしそうしたなかにも、「自分はSCM現場研修に心を寄せている」という人はいるだろうと思います。

胸はって「おれはこういうことをしている」と言えないけれど、よりどころとしているという人はいるでしょう。そうした人たちにどのようにネットワークを広げていくのかということが、これからのSCMに大切なことではないかと思います.

 第20回SCM現場研修のために、お祈りしています.

 

梅崎浩二さん

【編集後記】

  地球はあったまってるのに平年通りしっかり寒い今月、極めて正しいおパアはんの言葉が身に染みます。

 しかし、三月は平年を上回る寒さだそうです。シンポジウムでは、とうぞ旧交を温めてください。

 また、21回に踏み出す前に、立ち止まって、じっくりみなで話せる大事な機会です。

 この間呵、『かすがい』に登場していただいたOPの方々オ々からは、SCM体験の持つ意味への一定の評価が感じられますが、あえて、SCMは必要ない、といった論点も含め、厳しい話もできたらと思います。

 でも何より、お集まりの一人一人が、10何年から0年の「その後」をふりかえる良い時に。したいですね

 その後のパーティーでは、熱い料理をみなで用意してお待ちしています。

編集担当 飛田雄一 吉沢託

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