Student Christian Movement
第26回SCM現場研修<生野・釜ヶ崎>2004.3.6〜14
差別の社会構造と私たち
〜差別とどう向き合うか・・・、私達にできることは?〜
主催:SCM協力委員会
協力:KCC(在日韓国キリスト教会館)/聖公会生野センター
聖和社会館/釜ヶ崎キリスト教協友会
<スタッフ>
生野:内田美紀(25生野研修生)/村上恵依子(23生野研修生、24生野スタッフ)
紙田茉莉(24生野研修生、25生野スタッフ)
釜ヶ崎:西川幸作(23釜ヶ崎研修生,24.25釜ヶ崎スタッフ)/川井旭(25釜ヶ崎研修生)
山田洋輔(25釜ヶ崎研修生)
※( )内の数字は、参加した回
<現場スタッフ>
生野:金成元(KCC)/呉光現(聖公会生野センター)
釜ヶ崎:大谷隆夫(医療連絡会議)/門戸陽子(医療連絡会議)
<協力委員会>
委員長 李清一
主 事 飛田雄一
[加盟団体・団体]
在日大韓基督教会/日本キリスト教団教育委員会/
日本聖公会/神戸学生青年センター/早稲田奉仕園
日本YMCA同盟学生部/名古屋学生青年センター
KCC(在日韓国キリスト教会館)
<プログラム>
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生野 |
釜ヶ崎 |
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6日(土) |
午後)KCC集合 開会のつどい、オリエンテーション 現場研修25周年記念シンポジウム 夜)ウェルカムパーティー |
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7日(日) |
午前)生野散策、礼拝(自由参加) 午後)生野・釜ヶ崎イントロ 釜ヶ崎研修生移動 |
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フィールドトリップ オリエンテーション 夜)発題「民族教育について」・シェア |
オリエンテーション 夜)発題「釜ヶ崎の歴史」(予定) 黙想・シェア |
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8日(月) |
日中)工場にて労働 夜)発題「日本人の立場から」シェアリング |
日中)労働センター・活動 団体・西成シェルター(予定)等の見学 夜)黙想・シェア |
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9日(火) |
日中)工場にて労働 夜)発題「在日の生き方」 |
日中)炊き出しに参加 夜)発題「釜ヶ崎の現状」(予定) 黙想・シェア |
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10日(水) |
日中)工場にて労働 夜)集中シェアリング 交流会 |
日中)各自で選択(活動団体でのボランティアなど) 夜)発題「当事者の声、長居公園の現状」 黙想・シェア |
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11日(木) |
日中)工場にて労働 夜)発題「拉致事件後の在日の生活」シェア |
日中)各自で選択 夜)黙想・シェア 夜まわりに参加 |
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12日(金) |
日中)工場にて労働 夜)夜間中学見学 |
日中)各自で選択 夜)黙想・シェア 明日の全体シェア・報告会の為の打ち合わせ |
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13日(土) |
午前)生野研修生は釜ヶ崎へ移動、釜ヶ崎散策 午後)KCCへ移動、全体シェア、報告会 閉会のつどい 夜)フェアウェルパーティー |
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14日(日) |
感想文作成、清掃 礼拝(自由参加) |
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(プログラムは変更される場合がありますがご了承ください)
※シェア…体験の分かち合い
<第26回SCM現場研修のご案内・よびかけ>
19世紀末、経済的に発展を続けるヨーロッパ諸国は、自国において、貧富の差の拡大や、それに伴う多くの抑圧的な差別を結果的にもたらすこととなりました。しかし、この貧富の差や、差別が存在する社会構造に疑問を抱き、貧しき者の立場に立とうとした学生キリスト者達が団結し、運動を展開しました。この運動が、SCM(Student Christian Movement)の起源です。やがてその運動はアジアに広がり、日本では20世紀前半から展開されていきました。そして、この運動の一環としてSCM現場研修が始まり、毎年、大阪市の生野と釜ヶ崎の2つの現場で研修を続けてきました。今まで多くの研修生が、この日本の中にある2つの現場に未だ根強く存在する差別という問題に対して、その地域に関わる人々との、また、研修生同士との時に熱く、時に冷静な話し合いを持ち、考えてきました。その後、彼ら研修生は研修のOP(Old
Person)として、今もなお、この経験を生かしてそれぞれの社会で活躍しています。今回のプログラムでは特別に3名のOPに、研修、そして研修後のご自分の経験を語っていただくシンポジウムを企画しました。今回は、シンポジウムを含め、わずかな日程ですが生野・釜ヶ崎それぞれの現場で、地域の人々や研修生と一緒に、実際に見聴きし考え、手で触れ体験し、普段は経験することのできない日々を過ごすことができる様なプログラムを用意しました。この研修に参加することで、今まで見えてこなかった現実や新たな発見があるかもしれません。これらの問題はS(Student)やC(Christian)という枠を超え、私達に訴えかけてきます。参加希望の方はSCMのSやCにこだわる必要はありません。差別の社会構造と私達との関係について、一緒に考える機会を持ちませんか。
<生野 呼びかけ文>
研修地のひとつである大阪市生野区は、日本の最大規模の在日韓国・朝鮮人の密集地域であり、約4万人が生活しています。その多くは、日本の植民地時代に朝鮮半島や済州島から渡ってきたり、連行されたりした人たちやその子孫です。また、生野区は、このような在日韓国・朝鮮人たちが様々な制約の中でも食べ物・祭りなどの面で独自の文化を築いてきた場所であり、異文化性に富む魅力的な地域です。この研修では、そこに住む在日韓国・朝鮮人の困難な境遇や個人の抱える問題に接し、研修生が自分なりに差別に向き合い、問題を抱えることに目的を置いています。研修のプログラムは「労働」と「発題」の2本柱で構成されており、「労働」では、在日韓国・朝鮮人の経営する工場や、ヘップサンダルの課内工業などで、5日間実際に働きます。労働先で、彼らの話を聞くことで、1人ひとりがそれぞれの思いや歴史を知ることが出来、また、彼らの置かれている立場や個人の問題に接して、自分なりに重く受け取ることがあるでしょう。そして、もう1つの柱である「発題」では、生野に住む在日韓国・朝鮮の人たちや、地域で活動している人たちから取り組みの様子を教えてもらいます。また、今回のプログラムでは夜間中学校にも見学に行きます。そこで学んでいるおもに達との交流や、韓国語の授業、民族楽器のチャンゴの体験などを予定しています。研修生の人達には、こうした体験の中から感じたこと、気づいたことを話し合って共有しあい、ここでの体験をこれからの自分の生き方に生かしてもらえればいいと思っています。
<釜ヶ崎 呼びかけ文>
大阪市西成区に、「釜ヶ崎」と呼ばれている街があります。以前この街では、地方からの出稼ぎで大阪に来た多くの人々が日雇い労働者として働いていました。しかし、長引く不況による労働需要の減少で、現在は以前と違って、人々は仕事を探しながら、炊き出しや一夜の寝床が提供されるシェルターの券を、列を成して求めている状況が続いています。さらに多くの人々は日々、野宿をせざる終えない状況にあります。そして、この現状を1つの大きな社会問題とし、国家レベルで考える必要性があると叫び続けてきた結果、昨年夏に「釜ヶ崎」だけでなく全国の野宿者への対策として、「ホームレス自立の支援等に関する特別措置法」が公布されました。この特別措置法の目的の中には、「ホームレスの自立の支援(中略)等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにする」とあり、国家レベルで全国的にこの社会問題への対策が展開されていくことが示されています。そして公布から1年以上が経過し、野宿者に関する全国調査を終え、現在は全国調査を基にした実施計画の段階となりました。今後は具体的な計画、予算が組まれていきます。しかし、果たして現実的にこの法律が問題の解決に資することになるのか疑問であるとの声も徐々に上がっています。この研修で、これら釜ヶ崎の現状、そして各団体の支援活動等を実際に、“見て”、“感じて”、“差別とは何か?”そして、“差別とどう向き合うのか?”、“私達にできることは?”について考え、さらに、この経験が今後の自分の歩みに活かされるものになればと思います。私たちと共に、「釜ヶ崎」について考えてみませんか。
<第26回SCM現場研修(生野・釜ヶ崎)要項>
・ 日程:西暦2004年3月6日(土)〜14日(日)
・ 募集人数:各10名 計20名
・ 参加費17000円(食費別)+3000円(交通費プール負担) 合計20000円
★ 申し込み方法…
備え付けの申し込み用紙を下記に郵送かFAX、もしくは申し込み用紙の内容をE-Mailでお送りください。
★ お問い合わせ先・申し込み先 申し込み用紙は、こちら。
村上恵依子(生野スタッフ)
西川幸作(釜ヶ崎スタッフ)、神戸学生青年センター内
★ 申し込み期限…2月15日(日)必着(「SCM」申し込み書在中と朱書きして下さい。)
★ 研修所
生野:KCC(在日韓国キリスト教会館)
〒544-0032大阪市生野区中川西2-6-10
TEL 06-6731-6801
釜ヶ崎:旅路の里
〒577-0032 大阪市西成区2-8-9 TEL 06-6641-7183
※ 参加の可否、研修所については定員等の都合によりご希望に添えない場合があります。また決定次第、資料・会場案内を添えてご通知いたします。
※ 国内旅行保険に団体で加入します。
※ 参加できなくなった…などのご連絡は上記の村上・西川までお願いします。
現場研修はみなさんの募金によって支えられています。郵便振替『01180−2−58517SCM協力委員会』
<SCM協力委員会事務局>
〒657-0064 神戸市灘区山田町3-11 神戸学生青年センター 飛田雄一
TEL 078-851-2760 FAX
078-821-5878 E-mail