「教団新報」(日本基督教団)2000年12月16日(4472号)
教会と青年、学生青年運動を活発に
飛田 雄一(ひだ ゆういち、SCM協力委員会主事、神戸学生青年センター館長)
去る(2000年)11月2日〜4日、東山荘で、第2回学生青年運動エキュメニカル協議会が開かれた。主催は、日本キリスト教協議会青年委員会、日本YMCA同盟学生部委員会、SCM協力委員会の3団体である。参加者は約50名で、主催3団体のスタッフ・学生青年の他に7つの教派、仙台・東京(SCF)・名古屋・神戸の学生センター(北海道クリスチャンセンターも参加)、関西キリスト教青年協議会(NCCY)、アジアキリスト教協議会等のメンバーが参加した。日本キリスト教団の代表としては教育委員会から、西之園路子牧師と村瀬義史君が参加した。
3年前に同じく東山荘で開かれた第1回協議会にはシニアの参加者が目立ったが、今回は一変して学生青年の協議会となった。1950年生まれの私はキリスト教関係の集会に参加したときには決して年寄りの部類ではないが、今回は2番目の長老であった。
テーマは「いま、私たちが共になしうることは」で、@各教派・団体における学生青年運動への取り組みについての情報と経験を分かちあうA現代の日本社会におけるエキュメニカル青年運動の役割と可能性を模索することを目的とした。主題講演は韓国でエキュメニカル運動の経験をもつ立教大学の李鍾元教授、発題は学生青年から4名がそれぞれの現場からなされた。いずれも「ここにも青年がいる」という感じを与えてくれる発題だった。そのほか分団討議、全体会、スポーツから深夜の交流会にいたるまでおおいに盛り上がった。
学生青年運動は活発とはいえないが、近年いくつかの教派で全国集会が開かれるようになってきているし、学Yの夏期ゼミは継続的に開かれ、NCCYは拠点を大阪に移して活動を続けている。
またSCM協力委員会の生野・釜ケ崎現場研修は今年ことし22回目を迎えているが、毎年少ない年で10名弱、多い年には30名の参加者があるので延400名程の研修生を送りだしたことになる。当初はシニアが文字どおり主催者となり運営を行なってきたが4,5年目から前年の研修生がスタッフとなって運営がなされてきている。一昨年3月には「現場研修20回記念シンポジウム」が開かれ20年前の研修生他4名がそれぞれに「生野・釜ケ崎の現場研修で得たことといま」をテーマに話しした。詳細は報告書にゆずらなければならないが、現場研修で得た体験およびそのネットワークがいまに生きていることを証している。
先のエキュメニカル協議会は、教派・団体の枠を越えて彼・彼女らのネットワークを広げる絶好の機会であった。感動的なエキュメニカル聖餐式が終わって各地に帰るとき、互いに携帯電話番号やメールアドレスを教えあいながらいつまでも別れを惜しんでいる姿を完全にシニア世代の私は羨ましくながめていた。「学生青年がいない」のではなくてそのような「場がない」のだと思った。日本キリスト教団には青年がいないから青年担当幹事がいないというのではなく、「場」を作り上げるためにもまず担当幹事をおくという発想が必要だと考えている。学生が卵で幹事が鶏かその逆か、私には分からないが。
SCM協力委員会|神戸学生青年センター