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青丘文庫研究会月報<230号> 2009年2月1日

発行:青丘文庫研究会 〒657-0064 神戸市灘区山田町3-1-1

()神戸学生青年センター内  TEL 078-851-2760 FAX 078-821-5878

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 @在日朝鮮人運動史研究会関西部会(代表・飛田雄一)

 A朝鮮近現代史研究会(代表・水野直樹)

郵便振替<00970−0−68837 青丘文庫月報>年間購読料3000

     他に、青丘文庫に寄付する図書の購入費として2000円/年をお願いします。=========================================================================

●青丘文庫研究会のご案内●

 ■第310回在日朝鮮人運動史研究会関西部会

 2月8日(日)午後1時

 「『ヂンダレ』『カリオン』再論」 宇野田 尚哉

 ■第262回朝鮮近現代史研究会

 2月8日(日)午後3時

 「韓国SBS放送『日本軍の凄絶な復讐 尹奉吉はこのように

  銃殺された(尹奉吉生誕100周年)』の鑑賞と大阪での尹奉吉」 塚崎昌之

 ※会場 神戸市立中央図書館内 青丘文庫  TEL 078-371-3351

 

<巻頭エッセー>

済州島四・三事件

  −いつまでも忘れられない悲しみ―        張 允植

 

 龍(ヨン) 頭(トゥ) 岩(アム) の

 

  漢拏山(ハンラサン)の壮烈な 烽火の焔も そのいわれも

 強風に曝され いつしか すでに消え去り

 霧深い中山村で活動した パルチザンの竹槍も

 今や 内外の閑(ハン)(リャン)(びと)のゴルフクラブとなり

 忘却の彼方で 振舞っている様子

      

 漆黒の闇の海では 漁火が霊光のように灯り

 念仏の長い数珠のように 東西に連なる

 龍頭岩では 絶え間なく 押し寄せてくる

 波濤の潮騒に堪えながら 力強く

 凛々しい賛美歌が 聞こえてくる

 どす黒い岩礁の片隅では 北斗七星を仰ぎ見て

 祈祷師(シンバン)たちが 祈りながら 焼()べる焚き火が

 海風に いまにも消えそうに か細くたなびく

 

 今、半世紀、いつしか歳月が流れ去り

 空しく 死地に追われた 数多くの英霊たちに

 彼らが 真心込めて 聖歌を唄いながら

 祈祷を捧げているのか どうか それは、まことに

 「ナヌン モルクダマスム!」*

      19991014日暁

       龍頭岩のほとりから海を望みながら  

  *「私にはわかりません!」と意味する済州島の方言

 

 私は金大中政権下になってやっと韓国に往来出来るようになり、半世紀振りに済州島を訪問した。龍(ヨン) 頭(トゥ) 岩(アム)の前の現代アパート(親戚の住い)の5階に泊まるが夜明け前に目が覚めて窓から暗い海を見詰めていると何故かとめどなく涙が流れ止まらない。上記の詩はその時、朝方に認(したた)めておいた詩である。私の済州島訪問は解放前に母親に連れられ二度訪問したと聞くが、幼かったのか最初の時の記憶はまったくない。二回目は幼稚園の頃に行った時の記憶はかすかに残っている。

船着場に迎えに来た祖母と荷車の馬車に乗って三陽里に向かう道程でトラックやバスが通り過ぎる時に猛烈な砂埃にまみれた記憶だけが残っている。 四・三事件のことは両親ともども身内や親戚が事件に巻き込まれ犠牲になったという悲報が伝わるたびに沈痛な思いをしたので、とても他人事のように思えなかった。九死に一生を得て逃れてきた親戚や友人から夜を明かして事件の顛末を聞きながら憤慨とやるせない思をしたことが多々あった。

 半世紀ぶりに見る済州島はそれこそ別天地になっていた。馬車で1時間掛かった道程が車では15分で到着。北から南へ漢拏山(ハンラサン)を越える道路三本となり立派に舗装されていた。島も一周して観光スポットのロケーションも見たが素晴らしい。まさに観光の島、新婚旅行のメッカといわれるにふさわしい島だと思えた。 しかし晴天の漢拏山(ハンラサン)威容や島を取り巻く海の青さの自然の景観を見ながら感動極まるが何か心の底から晴れやかな気持ちになれないものがあった。心の中に四・三事件の悲しみのなごりが沈殿していて溶解出来ずにいたからだ。 翌年の2000年1月に、半世紀ぶりに「四・三特別法」制定、公布された。盧武鉉政権下の200310月過去の国家権力の過ちに対して四・三抗争の遺族および島民に謝罪した。やっと来るべき時が来たという思いがあった。半世紀も地下に埋もれた四・三が地上に復活したのである。地中深く沈殿していて死に絶えなかった記憶がようやく蘇り語り始めたのだ。以降、暗い過去史に対する徹底した真相糾明の基に真の和解と統合の時代を開いていくだろうと思っていたが、李明博政権が登場すると四・三特別法の「改正」や四・三委員会廃止の動きなど過去史整理どころか事態は逆行の兆候が見えてきた。新政府は問われるべき歴史に対しても実利主義を貫く積もりか。これは守旧勢力の歴史に対する反乱といえる。

 

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 2009.1.11 新年会

 

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青丘文庫 新着図書の棚 2091.11/書名は読めませんね・・・・

 

<ご案内@>

日本と朝鮮、100年の歴史をふりかえる

―3・1独立運動90周年を迎えて― 講師:姜在彦先生(歴史学者)

 

 19193月1日、日本植民地支配下の朝鮮で大規模な独立運動が始まりました。「3・1独立運動」と言われています。この日、「吾らはここに、我が朝鮮が独立国であり朝鮮人が自由民である事を宣言する。これを以て世界万邦に告げ人類平等の大義を克明にし、これを以て子孫万代に告げ民族自存の正当な権利を永久に所有せしむる」という独立宣言書がソウル・パゴダ公園(現・タプコル公園)で読み上げられました。90周年となる今年、姜在彦先生をお迎えして記念講演会を開催します。

  ●日時:2009年3月6日(金)午後7時

  ●会場:神戸学生青年センターホール TEL 078-851-2760

    (阪急六甲下車徒歩3分、JR六甲道下車徒歩10分)

  ●参加費:600円(学生300円)

  ●主催:神戸学生青年センター

 

<ご案内A>

中央アジアの朝鮮人

−強制移住から70年、その歴史と現在−

  講師:ゲルマン・キム先生

  (カザフ国立大学教授、北海道大学スラブ研究所に客員教授として来日中)

 

 1937年、ソ連沿海州に在住していた約20万人の朝鮮人が中央アジアに強制移住させられました。日本の侵略戦争が激しさを増していた時代、朝鮮人が日本のスパイ活動をすると疑われたのです。この強制移住で多くの朝鮮人が犠牲となり、現在も中央アジアの諸国に多くの朝鮮人が生活しています。来日中の歴史学者・ゲルマン・キム先生をお招きして講演会を開催します。

 

  ●日時:3月8日(日)午後2時

  ●会場:青丘文庫 TEL 078-371-3301

  (神戸市立中央図書館内、神戸駅北徒歩10分、地下鉄大倉山駅北徒歩3分)

  ●参加費:無料

  ●主催:神戸学生青年センター/青丘文庫研究会/コリアンマイノリティ研究会

  問合せ先:〒657-0064 神戸市灘区山田町3-1-1 神戸学生青年センター

  TEL 078-851-2760 FAX 078-821-5878  http://www.ksyc.jp info@ksyc.jp

 

【今後の研究会の予定】

 3月は前記ゲルマン・キムさん講演会。4月19日(日、図書館の都合で第3

日曜日です。ご注意ください。)在日(内海隆男&本岡拓哉)、近現代史(波佐

場清)、5月10日、在日(近裕淑)、近現代史(未定)。研究会は基本的に毎

月第2日曜日午後1〜5時に開きます。報告希望者は、飛田または水野までご連

絡ください。 

【月報の巻頭エッセーの予定】

 3月号以降は、高野昭雄、塚崎昌之、土井浩嗣、中川健一、玄善允、松田利彦、三宅美千子、吉川絢子、李景a。よろしくお願いします。締め切りは前月の10日です。

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