新ガイドラインと有事立法に反対する共同アピールの会・通信・ No.8
1998年2月11日
自衛隊の外征軍化の動き進む・新大型輸送艦、今春、呉基地に配備
日米共同軍事行動の体制づくりのための動きが進められるなかで、自衛隊の外征軍化=海外での軍事行動の能力と体制の確立の動きが強められています。現在広島の自衛隊呉基地で造船中の大型輸送艦「おおすみ」は、8,900トンで従来の輸送艦の約三倍の物資、人員の搭載が可能です。「おおすみ」は、敵地上陸のための輸送用エアクッション艇(LCAC・エルキャック)二隻を搭載する予定です。このLCACは、九〇式戦車を搭載し、50トンの揚陸部隊や物資が搭載できる最新鋭の上陸用舟艇で、2隻64億円で購入したものです。また、「おおすみ」はヘリコプター搭載可能で、高性能20ミリ機関砲2門を装備し、ヘリ空母の役割をもはたすものとなっています。海上自衛隊呉地方総監部は9日、「おおすみ」とLCACを今春を呉基地に配備する予定であることを明らかにしました。
新型掃海母艦就航、空中警戒官制機、最新輸送機導入
昨年7月には新型掃海母艦「うらが」が掃海訓練に初参加しましたが、この「うらが」(5,600トン)は「そうや」(2,150トン)の代替艦ですが、初の大型のMH53E掃海ヘリが発着可能で、日本近海より外洋での機雷掃海の利用価値が高いといわれているものです。新ガイドラインで機雷掃海を米軍が要求する背景には、米軍は西太平洋配備の掃海艇は佐世保配備の2隻(これも北朝鮮「核疑惑」の際、94年に急遽配備されたもの)しかなく、自衛隊のもつ35隻の掃海艇に出動してもらう必要があります(ちなみに韓国17隻、台湾13隻)。
自衛隊は最新鋭の空中警戒官制機(AWACS)を97年度2機導入し、98年度にも2機導入しようとしています。これはアジアで初の導入で、米軍との自動データ・リンクシステムのもと、米軍に軍事情報が提供されることになります。さらに、一度に20の目標に迎撃ミサイルを発射することができる空母戦闘群護衛のために開発されたミサイル・システム艦であるイージス艦の4隻目が今年導入されようとしています。空母をもたない自衛隊はどの空母を護衛するのでしょう。
また、4,000キロメートルの航続能力をもつ輸送機(C−130)15機を導入することにしています。こうして自衛隊は日本本土を離れての自立作戦能力、部隊導入能力を高めてきています。
統合幕僚会議と統幕議長の指揮・命令権限強化の自衛隊法改正案決定
政府は6日の閣議で現在は日本有事に限られている統合幕僚会議と統幕議長の自衛隊三軍への指揮・命令権限を防衛庁長官が定める場合にも可能とするための防衛庁設置法と自衛隊法の改正案を決定し、国会に提出しました。この「改正」によれば、海上警備行動、領空侵犯措置、海外日本人の救出活動、PKOや災害派遣などに統幕議長が自衛隊三軍の指揮権をもつことになります。新ガイドラインのもとで予定されている自衛隊の行動を可能にする有事法制となっています。
6日の学習会に50人参加、橋本六大「改革」と新ガイドラインの根底に日本資本主義の多国籍企業化が
「日米軍事協力体制のねらいと背景ー医療・福祉・労働・教育『改革』路線と新ガイドライン」をテーマとしての二宮厚美氏(神戸大学)を講師とした第3回学習会では、活発な論議が行なわれました。各地域・職場で学習会を。
第4回学習会「新ガイドラインと自衛隊」
講師:梅林宏道さん(太平洋軍備撤廃運動国際コーディネーター) 参加費 500円/98年3月4日午後6時15分〜/三宮勤労会館
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