共同アピールの会・通信・7号(
98.1.26)「有事」作戦づくりへ日米が本格的体制
20日夜来日したコーエン米国防長官と小淵外相、久間防衛庁長官との会談で、新ガイドラインが示した、日米両軍の共同軍事行動のための作戦計画づくりの「包括的メカニズム」を本格的に始動させることが合意された。
日米両軍による「共同計画検討委員会」発足合意
新ガイドラインが語る「包括的メカニズム」とは、「日本有事」の際の「共同作戦計画」、「日本周辺有事」の際の「相互協力計画」という日米共同軍事行動のために必要な一切の手段を構築するものである。20日に発足が合意された「共同計画委員会」とは、日米両軍の軍人から構成されるもので、「共同作戦計画」「相互協力計画」と呼ばれる詳細な軍事作戦計画書を策定することになる。夏川統合幕僚会議議長が22日、「日本有事より周辺有事について先に手をつけた方がいい」と述べたように、日本に対する武力攻撃とは無関係にアジア・太平洋地域に対する米軍の軍事行動に日本が軍事協力する体制の構築をめざすものである。このことは、「共同計画検討委員会」の米軍側代表が在日米軍司令官にとどまらずに、「太平洋軍」の代表が参加していることにも示されている。
この「共同計画委員会」は、新ガイドラインが語る日米両軍の「共通の基準および実施要領」も策定する。「共通の基準」とは、軍事的な緊張の度合いに合わせて日米両軍の部隊や装備の配置などを段階的に変える「防衛準備態勢」の制度(デフコン defence readiness condition)のことであり、「実施要領」とは武器使用の対応基準、すなわち「交戦規則(rules of engagement)」を意味している。まさに日米両軍による戦争準備計画=War Manualの策定である。
「有事法制」の準備が加速化
昨年10月21日に発足した17省庁の「関係省庁局長等会議」は、12月18日に第二回会合を開き、日米共同軍事行動のための法制化作業をすすめている。「共同計画検討委員会」の発足合意にともない「包括的メカニズム」の全体像が形成されたことにより、「有事立法」の具体化作業が日米両軍の直接的具体的指示のもとに加速化されることが予想される。
空母「インディペンデンス」急遽ペルシャ湾へ出航
23日、空母インディペンデンスが横須賀からペルシャ湾に向けて出航した。横田、厚木、岩国での突然のNLP(夜間離発着訓練)を行ない、出航したものだが、在日米軍は「ペルシャ湾への緊急展開」を公然と出航目的にかかげた。これは、「事前協議制」「極東条項」という安保条約の建前さえを公然とふみにじるものであり、米軍が日本を地球的規模での自由出撃拠点にしていることをあからさまに示したものであった。
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